いやあ、週末の外出禁止。参加予定のパーティも友人との食事もすべてキャンセル…という事でブログの更新でもするか…昔の記憶もどんどん薄れていくからね。
入社、水産部に配属されてからずっと北方魚の担当でした。商品担当とはすなわち地域担当でもあり、北方魚で言うと青物、サケマス、カニ、魚卵といった商品の担当で地域で言えば、欧州・ロシア極東・アラスカ・東カナダの担当でもあります。
アムステルダム駐在といってもオランダにずっといる訳ではなくアイスランド・ノルウェー・デンマーク・フィンランド・エストニア・ロシア・フランス・スペインに週末毎に移動していました。何故かというとDiscountチケットは「往復1週間以上、移動は週末」というが一番安いというのが理由でした。
アムステルダムに駐在していた頃で年間1万5千トン水産物を買付けしてました。一番多いのがノルウェーサバで約6千トン、アイスランドシシャモ・シシャモ卵で4千トン、オランダ・アイルランドアジで3千トン、その他が残りの魚種。その頃ずっとノルウェーサーモンの日本への売り込みをしていたが「そもそもサケは刺身・寿司ネタにしない。色も悪い」等築地の取引先からは評判悪く、取り扱いを断念。他の業界で言えば「インターネットなんか普及するわけがない」と言われた時代があったようなものですね。この辺の話は後日。
サバは年間6千トン買付けしてましたが、すべてのロット(一回の漁獲)について検品し、大抵は試食していました。特にサバは身がゼリー状になっている物があり、これはほぼ価値がないので一番気をつけていたし、それ以外も鮮度・打ち身・身色などいろいろチェックポイントはあり。
サバだとこんな感じに2枚におろして検品。その後にしめさば、塩サバ、サバみそ等に調理して試食。もうサバのシーズンは毎日サバです。
アジだとこんな感じに開きにして検品。開き方が上手い?それはアジ開き専門の包丁で開いているのと、アジの開き方の研修を沼津の取引先で受けて勉強したからです。
アジはもちろん日本では開き用途が多いのですが、オランダの魚市場で日本から来たアジの開き加工屋さんと一緒に買付けするのです。日本の会社なので私は買参権はないので、仲買人と組んでオークションで競り落とします。
ライデンやスケベニンゲン(名前が面白い!)などの港の魚市場に朝早く行って、生のアジを検品、高く買ってくれる日本のバイヤーの特権で特別に何匹がサンプルを貰って、大急ぎで開いて寄生虫がいないか、脂は乗っているかなどをチェック、買付けするかどうか検討します。
ただオランダの競りは難しい。日本は下からの競り上がり方式なので、仲買人に「もっと上げていいぞ!」「ここは降りよう!」とか指示が出しやすい。しかしオランダの競りは上からの競り下がり方式なので、価格がだんだん下がってきて手を挙げたらそこで決まり。つまり市場からしたら時間の節約にはなるが、こちらの意思通りに競り落とすのが難しい。結構スリリングで楽しかったが、日本のライバル商社に競り落とされると悔しかった。
商社マンとは言え、スーツよりは作業着を着て作業をしている時間の方が長かった。まあ東京水産大学出身で魚の研究をしていたから、本業のようで楽しかった。
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