全学生はドイツ語・フランス語・ロシア語のどれか一つを必修の第二外国語の単位として選ばなくてはならず、先輩や学内のいろいろな情報を聞いたところでは、「ロシア語の授業は出席を取らない、試験は易しい、一番単位を取りやすい」という事だったので、迷わずロシア語を選択した。
私の入学した大学は東京海洋大学(当時は東京水産大学)で、港区にあった(駅は品川駅だが)
港区にはソ連大使館やソ連通商代表部があり、また大使館内には日本駐在ロシア人子女の為の小中学校があった事から当時、港区にはロシア人が多く住んでいた。そのせいか当時としては珍しくネイティブのロシア人の講師が大学のロシア語の講座を指導していた。
日本人の商社マンと結婚したロシア人と聞いていたが、当時は何しろバリバリの社会主義時代のソ連邦だったから、なかなかロシア人を見る機会も少なかったし、ロシア人と結婚するハードルは今とは比較にはならない困難さがあったと思う。
そのロシア人の講師は金髪で背が高く、モデルのような女性だった。
最初の授業で彼女の言ったことは、
「教科書は使わない。まずは会話の勉強から」
それに加えて、
「ロシア語は美しい言葉だから、まず正しく綺麗な発音を覚えて」
「会話は人と話す行為、だから話す相手の目をしっかり見て話して」
といった事を言われた。今でも覚えているは自分のロシア語の原点であり、今もロシア語を学習する上で大事にしている事だから。
青くて大きくて美しい瞳にじっと見つめられて学ぶロシア語は、勉強して学ぶという事ではなく、どちらかというと洗脳に近い感じで、若い頭にスルスルと入っていった。
出席しなくても単位はくれるという噂だったのに、結局全部授業は休まず出席した。テキストは不要と言われたのに自分で役立ちそうなテキストを買い、自分で文法も自習した。
授業を出るだけでなく、授業が終わった後に「質問があれば教授の部屋へいらっしゃい」という言葉に乗せられ、授業後も彼女の部屋に行った。そういう輩は私だけでなく何人か居た気がする。みな別に質問があった訳ではなく、ただ集まってジャム入りのロシアテイーを頂きながら雑談するのだったが、それこそ「ロシアのお茶の文化」だと、後で理解した。
(※ロシア人はお茶を飲みながら延々と雑談するのが好き)
ここで私は大きな事に気付かされた。今まで英語は不得意教科で、成績も悪かったし、勉強もあまり好きではなかった。英語学習が楽しいとも一度も思ったことはない。
でもこうしてロシア語に触れていながら、それが頭に入っていくと、今までの語学学習方法はまったく間違っていたのではないか、こんなつまらない方法だったら身に付く訳がないと思った。
だから英語もそうやって勉強すれば良かったんだ~と改めて気づかされ、その後の英語や他の言語の学習もこのロシア語学習体験がベースとなって、自分なりに最短最良の勉強方法を考えながらマスターしていくようになった。
私の学生時代。東京海洋大学水産学部漁業生産学科
出席しなくても単位はくれるという噂だったのに、結局全部授業は休まず出席した。テキストは不要と言われたのに自分で役立ちそうなテキストを買い、自分で文法も自習した。
授業を出るだけでなく、授業が終わった後に「質問があれば教授の部屋へいらっしゃい」という言葉に乗せられ、授業後も彼女の部屋に行った。そういう輩は私だけでなく何人か居た気がする。みな別に質問があった訳ではなく、ただ集まってジャム入りのロシアテイーを頂きながら雑談するのだったが、それこそ「ロシアのお茶の文化」だと、後で理解した。
(※ロシア人はお茶を飲みながら延々と雑談するのが好き)
ここで私は大きな事に気付かされた。今まで英語は不得意教科で、成績も悪かったし、勉強もあまり好きではなかった。英語学習が楽しいとも一度も思ったことはない。
でもこうしてロシア語に触れていながら、それが頭に入っていくと、今までの語学学習方法はまったく間違っていたのではないか、こんなつまらない方法だったら身に付く訳がないと思った。
だから英語もそうやって勉強すれば良かったんだ~と改めて気づかされ、その後の英語や他の言語の学習もこのロシア語学習体験がベースとなって、自分なりに最短最良の勉強方法を考えながらマスターしていくようになった。
私の学生時代。東京海洋大学水産学部漁業生産学科
0 件のコメント:
コメントを投稿